2013年3月26日火曜日

nature climate change


茅根研究室の井上・茅根さん,山本さん,琉球大学の栗原さんの
論文がオンライン雑誌,Nature Climate Change に載りました
http://www.nature.com/nclimate/journal/vaop/ncurrent/full/nclimate1855.html


理学部広報さんにプレスリリースもしていただきました
多くの方々にサンゴ礁の危機について目を向けるきっかけになれば嬉しいです
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2013/09.html

探検部の遠征での 成果が種となり,
研究室で硫黄鳥島に行き
瀬底で長々滞在させていただき飼育実験を行い
泣きながら論文を書き
このように実を結んだこと嬉しく思います

この研究のウリは,
水槽飼育実験で群体スケールで酸性化の影響を見てきていましたが,
それでは短期の影響しかみていなかったり,
光・波などの物理影響が野外とのギャップが大きかったり
捕食・被食などの生態系での影響が見れなかったり
問題点があったのですね

そこで
野外の酸性化海域である硫黄鳥島のCO2と生物の分布を対応させて考えたのです
硫黄鳥島には昔からCO2は出ていますから,そこには長期間のCO2の影響の結果が出ています.
酸性化海域には,炭酸カルシウムの骨格を持つサンゴではなくウミキノコが密生していたのですね
このことからソフトコーラルはCO2に耐性があると考えました

ただCO2以外の影響も考えられます
そのため,ソフトコーラルの飼育実験でその整合性を確かめたのです
結果,光合成でメリットを持つこと,
昼は影響を受けないことから,サンゴよりも高CO2に適すという結論です.

今回記事にしていただいて,それを読んだ方の感想をtwitterやSNSで拝見しました
おもしろいと思ってくれている人,
酸性化というキーワードを初めて知った人,
その際,誤解されて伝わっていて,批判的な意見も多くありました
ああ,この言葉が足りないとこのようにとらわれるんだな,
ということが分かってきて,
言葉足らずで伝わらないところが悔しい面,
勉強になった,次から予測しながら主張しよう,
というのを強く思います.

硫黄鳥島は面白いフィールドであるのは間違いないので,これからも展開していきます!!わくわく

井上志保里